変形爪の現状と考え方
爪を傷つけたとき、そのまま爪が生えてくればいいのですが、時には爪が変形したり、分厚くなったり、ほとんど伸びなくなったりすることがあります。
このような状態は今まで盛んに行われてきた巻き爪、陥入爪の手術をした場合にも何年後かに起ってくることがあります。
皮膚科学会ではそのような症例も多く見られるため、爪の手術は安易にしないように声明を出しております。しかし、まだ行われているのが現状です。
『陥入爪の治療として、爪甲の側縁が生えないようにする手術やフェノール腐食法は世界的に推奨されている方法ですが、術後年数を経ると醜悪な形態の爪となり、その上多くの障害を起こしますので、行わないのが良いと考えています。爪甲の側縁を短く切る方法も行われていますが、一時的に症状を和らげるだけで、爪甲が少し伸びてくると大抵再発しますし、一層重症化します。』 と皮膚科学会のホームページには書かれています。
当エステでも分厚くなった爪や変形した爪でご相談に来られるお客様は多いのですが、すべてのお客様の爪を元の通りきれいな爪に戻すことはできません。未だに確実にきれいな爪に戻す治療法は見つかっておりません。その中でも約3割の方には当院のケアで改善が見られるますが、やはり残念ながら全く改善の見られないお客様もいらっしゃいます。
その際は素足になって気にならないアクリル人工爪をつけて爪育することはお薦めしております。先ずは変形爪に対する自分自身のコンプレックスをなくして、ゆっくりとあせらず爪育することが大切です。
爪育とは
自らの自然快復力を生かして傷ついた爪をきれいな爪に育てることです。髪の毛と同じケラチンでできている爪は三層構造をしており、一番上は外界からの刺激に抵抗するため硬くコーティングされた縦走構造をしています。2番目は爪を前に押し出す役割と爪の補強をかねて横走構造のケラチン組織です。3番目の一番下の層は爪床(ネイルベッド)と爪を接着する役目をもった柔らかいゾルやゲル状のケラチンとなっています。
このような複雑な構造物である爪は爪の根元である爪母から作りだされ、休みなく前に押し出されていきますが、爪側郭との接合や指先端の圧迫など様々な影響を受け、正常な成長ができない場合もあります。
爪側郭と爪の遊離があれば圧力の弱い方向に爪が曲がり、また指先端に盛り上がりがあれば爪の前方への伸びは阻害され、厚く上方に成長する爪となります。また爪の第三層部分と爪床との遊離は乾燥と栄養状態が大いに関係しています。
そのような爪の構造と成長機序を理解し、爪の正常で自然な成長を助けてあげるのが爪育です。
自宅で行う爪育法
1.伸びない爪の指先端には下からの圧力はなるべく掛けない(浮き指歩き)
2.爪の乾燥を防ぎ、 ハイポニキウム(爪下皮)を育てるための保湿に注意する
3.伸したい爪に栄養が行くよう指元から指先への爪の血流マッサージを行う
以上三つの注意点は日々心がけて自分自身が行うものです。もちろん、常からお風呂では爪一本一本の石けん洗浄を丁寧に行い、お風呂から上がったら再び一本一本の水滴をとってあげましょう。その後、伸したい爪には保湿の為の爪をオイルを爪側郭と根元に塗ってマッサージしながら保湿してあげましょう。
自分の爪の成長をやさしく見守ってあげてください。
アクリル人工爪の実際
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20年前に爪が剥がれてからほとんど爪が伸びなくなっていました。年輪のような横線が認められます。第二層の爪の送り出しに問題をあることがわかります。
実際の爪床との接着部は見てている爪の半分以下でした。また指先の肥厚があり、爪の伸びを阻害していました。
アクリル人工爪をつけて爪育を指導しています。
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深爪を繰り返し、何十年も爪が伸びずに悩んでいました。深爪のため指先肥厚してしまい、それが原因で爪が伸びないようです。浮き指歩きも合せて指導しました。
肥厚爪ですが爪床との接着部は伸びないだけほぼ保たれていました。
アクリル人工爪を装着し、爪育を行ってもらっています。
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時期は定かではありませんが、いつの間に変形して曲がってしまった爪です。最近では爪が一人で切れなくなったということです。
左右の親指の爪以外にも肥厚爪があります。
両側にアクリル人工爪をつけて爪育の指導しました。
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10年前に爪が剥がれてから放置していたら爪が全く伸びてこなくなりました。
実際の爪床との接合は通常の1/3ぐらいの面積でした
アクリル人工爪をつけた後、ネイルを塗ってみました。久しぶりのおしゃれができたと喜んでいただきました。
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10年前に巻き爪のため両端の爪母を切除後、爪が伸びなくなりました。また爪白癬との診断で白癬治療も受けましたが肥厚爪は改善しませんでした。
爪床と第三層の接着は右側の方が広く、左側は半分ぐらいでした。
アクリル人工爪をつけて、後は自然に爪がのびることを期待しましょう。白のペディキュアがおしゃれですね!
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